描き出すととまらない!ヘナタトゥーの魅力
ヘナタトゥーは、ヘナという植物の葉を粉末状にし、ペーストにしたもの*を用いたファッションタトゥー。普通のタトゥーとは違って2週間ほどで消えてしまうので、気軽に楽しむことができます。インドあたりではmehndi/メヘンディ、東南アジア島嶼部ではinai/イナイと呼ばれています。
*染髪やネイル、アイライナーなどにも使われています。
色は主に赤や茶色など。ホワイトヘナという白いものもありますが、これにはヘナは一切使われておらず、肌にインクで模様を描いて楽しむボディーペイントです。
私はタイに旅行したとき、夜市ではじめてヘナタトゥーに出会い、その緻密さと施術の速さに驚きました。
魔除けとしてのヘナタトゥー
ところで、タイで描いてもらったヘナが消えないうちに立ち寄ったベトナムのカフェで、店員さんに「新婚さんですか?笑」と声をかけられてしまいました。
調べてみたところ、ヘナはもともと魔除けの意味があって、インドなどの地域では女性が結婚するときに手足をヘナタトゥーで飾る習慣があるとのこと。
こちらは先月ご結婚されたマレーシアの女優、Mira Filzah/ミラフィルザちゃんの結婚式の写真。よく見るとヘナで指が赤く染まっています↓
結婚式の他にも、魔除けの意味を込めて妊婦さんのおなかにヘナで模様を描くこともあるそうです。
ヘナタトゥーのしくみ
ヘナタトゥーでは皮膚の表皮を染めているだけなので、普通のタトゥーと違って皮膚を傷つけることはありません。チューブ(ヘナコーン)に入ったヘナペーストを皮膚にしぼり置き、柄や模様を描いていきます。
※この写真のヘナの色は黒ですが、このような「ブラックヘナ」は化学物質が入っており、肌に悪いとする情報もあります。ヘナは本来、赤や茶色に発色します。黒いヘナなど、赤や茶色以外のヘナは避けたほうが良いかもしれません。
描き終わったら、しばらく放置して乾かします。速さ・手軽さが大切な屋台では、ドライヤーが使われました。まだ乾いていないへナペーストのついた手で服や机などに触れてしまい、汚してしまうこともあるので、私は家でヘナタトゥーを楽しむときもドライヤーを使います。
乾いたへナペーストを剥がすと、ペーストを置いた部分の皮膚が染まっています。できるだけペーストを長く肌に置いて色を定着させるため、何度か水で湿らせる人もいるようです。
ヘナタトゥーは皮膚の新陳代謝で垢とともに剥がれ落ちるので、数日経つと徐々に薄くなり、2週間ほどで完全に消えます。
どうしてもヘナを早めに消したくなった場合、(少し痛いですが)オリーブオイルと塩をすり込むなどして古い表皮を剥がすという方法があります。
ヘナは植物の葉が原料の天然素材。発色には体温も関係しているそうで、指や手の甲、手のひらなど、体の部位によって色の濃淡があります。鮮やかに発色させるためには、直前にお風呂に入るなどして体温を高めておくのがいいのだとか。赤や茶色のペイントが明るいオレンジ色に変化しながら消えていくのも魅力です。
ヘナタトゥーのアートを楽しもう
ヘナアートとひとくちに言っても、アラビア系はふわふわ、インド系はかっちりなど模様には地域差があるそうで、InstagramやPinterestで調べるとたくさんのデザインが出てきます。描くときはどのデザインにしようか迷ってしまいます。
↑私のヘナの技術はこんなもので、タイの屋台で描いてくれたお姉さんのようになるにはまだまだ修行が必要です…
ヘナペーストをチューブ状に包んだヘナコーンは、日本でも手に入れることができます。
ネットショッピングはもちろん、東京では新大久保や御徒町のアラブ/南アジア系のお店で売ってあって、たいていレジの後ろに置いてあります。
ぜひヘナアートでタトゥー気分を楽しんでくださいね。