黄金のスパイス、ターメリックの使い方いろいろ。
ターメリックは鮮やかな黄色が特徴の、生姜みたいな見た目の食材。原産はインドなど熱帯地域で、江戸時代に琉球王国を通じて日本に伝わったようです。日本語では秋ウコン(鬱金)で、二日酔い防止に効くらしいドリンク剤「ウコンの力」として馴染みがあるかもしれません。パウダー状のものはターメリックパウダーの名前で売ってあります。
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マレーの伝統詩にも登場するターメリック
ターメリックはマレーシア語やインドネシア語でKunyit/クンニットと呼ばれていて、お肉やお魚の下味、カレーのスパイスなどの用途で使われています。伝統的なマレーの四行詩パントゥンにも詠まれていて、身近な香辛料であることがわかります。
Anak ikan di-panggang sahaja,
Hendak di-pindang tidak berkunyit.
Anak orang di-pandang sahaja,
Hendak di-pinang tidak berduit.
小さな魚、焼くしかない
カレー粉漬けにしたくとも、カレー粉がない
若い娘、見つめるしかない
求婚したくとも、お金がない
「南の國の恋の歌 マレー・パントゥンの世界」ー小笠原 至 より引用
魚や肉の下味、カレーのスパイスとして以外にも、ターメリックは東南アジアのいろいろな料理に使われています。
こんな料理にもターメリック
Nasi Lemak Kuning / 黄色いナシレマ
Nasiはご飯、Lemakはこってり、Kuningは黄色という意味。ナシレマクニンは、黄色いココナッツミルクご飯です。マレーシアの朝ごはんの定番であるココナッツミルクご飯、ナシレマにターメリックで色をつけて、ちょっと豪華にしています。
Roti jala / ロティジャラ
Roti はパン、Jalaは網という意味。ロティジャラはマレーシアのあみあみクレープで、ラマダン*開けの祝祭などでよく食べられるそうです。柄杓のような道具を使い、ターメリックで黄色く色づいたココナッツミルク入りの生地を網目模様にして焼きます。カレーがよく絡みます。
*イスラム暦における9番目の月、世界中のイスラム教徒のみなさんが断食をしたりする特別な期間。
Rendang / ルンダン
東南アジア島嶼部で親しまれている牛肉のココナッツミルク煮込み。長時間かけて調理されていて、ココナッツミルクと牛肉のうまみが凝縮されています。アメリカの報道局CNNによると、ルンダンは世界でいちばん美味しい料理です。隠し味のような感じでターメリックが入っています。
Soto ayam / ソトアヤム
Sotoはスープ、Ayamは鶏肉という意味。インドネシアのチキンスープです。ターメリックで下味をつけた鶏肉を使っていて、汁が黄色くなっています。ライムの葉の香りがさわやかで、スープを飲むと体が温まります。ビーフンやじゃがいものコロッケのようなものを入れて食べます。
Bánh xèo / バインセオ
ベトナム風お好み焼き。定番料理のようで、ベトナム出身の友人アンにベトナム料理を試してみたいと頼んだとき振る舞ってくれたのがバインセオでした。ターメリックで色のついたクレープ状の米粉生地でもやしやエビを挟んだ一品で、魚醤(ヌクマム)のきいたソースをつけて食べます。葉野菜もあう、ヘルシーな料理でした。
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料理をするのは大変なので、以下で身近な材料で簡単に作ることのできるおしゃれな黄金のドリンク、ターメリックラテのつくりかたを共有します。アメリカやカナダのカフェで「ゴールデンミルク」として流行り、スターバックスのドリンクにもなったとか。インドネシア版クックパッドで見つけたレシピです。
【レシピ】ターメリックラテ
《材料》
ミルク(牛乳/豆乳/アーモンドミルク) 500ml
ターメリックパウダー 小さじ3
シナモンパウダー 小さじ2分の1
黒こしょう 小さじ1
しょうが 1切れ
はちみつ 大さじ3
《つくりかた》
ベースとなるミルクを沸騰するまであたため、ターメリックパウダーなどのスパイス類とスライスしたしょうがを加えてよく混ぜます。さらにしばらく沸騰させて火を止め、はちみつを加えて混ぜます。温かいままでも冷やしても美味しい。温かいまま飲むと、体がぽかぽかになります。
参考にしたレシピ;https://cookpad.com/id/resep/9408093-golden-milk-turmeric-latte
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料理の美味しさを引き立てるだけでなく、健康効果もあるといわれているターメリック、ぜひお料理やドリンクに取り入れてみてくださいね。