CNN「世界一美味しい料理」ルンダンのつくりかた
Rendang/ルンダンは、牛肉をココナッツミルクでじっくり煮込んだ、風味豊かな東南アジア料理。ラマダン明けの祝祭など、特別な場面で食べられます。
じつはこのルンダン、CNNトラベルのランキングによると世界一美味しい料理なんです。我が国日本の寿司は第3位にランクイン。
CNNによる「世界の美味しい料理50選」
https://edition.cnn.com/travel/article/world-best-foods-readers-choice/index.html
世界一美味しい料理 ルンダンはだれのもの?
インドネシアやマレーシア出身の方とルンダンの話をすると、かなりの頻度で誇らしげに「ルンダンは世界一美味しい料理よ」と言われます。ルンダンの話になると笑顔が溢れます。
逆にルンダンについてネガティブなことを言うと、大勢を敵に回すことになるのかもしれません。イギリスの番組「マスターシェフ」で、ある審査員がマレーシア人シェフのザレハさんが作ったルンダンを「クリスピーじゃない*」と酷評したところ、インターネットで炎上し批判が殺到。
*ルンダンは煮込み料理ですから、もともとクリスピーではありません。
さらに悪いことには、その審査員はツイッターで「ルンダンはインドネシア料理だったかもね。みんな熱くなっちゃって、素晴らしいよ…ナマステ」とつぶやいてしまったのです。ルンダンはマレーシアだけでなく、インドネシアやシンガポール、ブルネイでも人々の思い入れのある料理。無神経な審査員のつぶやきで、ルンダンの発祥はどこの国かという大論争が巻き起こってしまいました。
レシピ本「私のルンダンはクリスピーじゃない」を出版したザレハさん↓
一方で「4国家の主人、ルンダンだけが帝国主義者たちを倒すことができる」というキャプションのついたイラストが拡散されるなど、この騒動は東南アジア島嶼部の人々が団結するきっかけにもなったことがわかります。
(この件の他にも、Nusantara Damaiは各国トップの美少女/美少年化など、色々と面白いイラストを発信しています。)
今回の記事では、東南アジア島嶼部の人々をひとつにする世界一美味しい料理、ルンダンの作り方をご紹介します。
ルンダンのレシピ
ルンダンの作り方はとってもシンプルですが、時間がかかります。
レシピを教えてくれたのは、インドネシア スマトラ島パダン出身の、レニさん。旦那さんの大学留学にあわせて日本に来られました。上品で、笑顔がチャーミングなお姉さんです。
ルンダンの材料
牛肉1kg
ココナッツミルク3L(400ml缶7.5個分)
*おすすめはインドネシア 産のkaraブランド
ターメリック
コリアンダー
赤唐辛子
玉ねぎ
エシャロット(bawang merah)
ニンニク
ガランガル
レモングラス
ライムの葉
ターメリックの葉
ローリエ(ベイリーフ)
ルンダンのつくりかた
まず、赤唐辛子と玉ねぎ、エシャロット、ニンニク、ガランガルをフードプロセッサーで液状にします。レモングラス、ライムの葉、ターメリックの葉、ローリエといっしょに鍋に入れ、加熱します。
香りが立ってきたら、ココナッツミルク3Lを一気に投入。
次にターメリックとコリアンダーの粉末を加えます。レニさんはお母さんが作っているのを見て作り方を覚えたそうで、完全に目分量です。見た感じそれぞれ大さじ2くらい入れていました。
牛肉を加えたら、あとは底が焦げないように混ぜながらひたすら水気を飛ばすだけ。
さらに加熱を続けると、水気が飛んで量が減ってきます。この状態のルンダンは、Rendang setengah kering/半分乾いたルンダン という料理として食べることもできます。ココナッツミルクのきいたまろやかな味で、既にとっても美味しいです。
表面積を大きくして効率よく水気を飛ばすためにフライパンに移し替えました。また、油がはねるのでIHに新聞紙を敷きました。
さらに根気強く加熱し続けると、だんだんココナッツミルクの油が分離してカラメルソースのようになってきました。
昼前から作りはじめて、完成したのは夜11時。ルンダンを作っていたら1日が終わってしまいました。ルンダン は1日を捧げても良いくらい価値のある、美味しい料理です。
ルンダンのお味
母いわくルンダンはごはんのお供。肉味噌のようで、少量でご飯がどんどんすすみます。牛肉はすっかり柔らかくなって、スパイスとココナッツミルクのうまみが凝縮されています。長く煮込むので、2ヶ月はもつそうです。
手はかかりますがレシピはシンプルなので、時間があるときにぜひ作ってみてくださいね。
ルンダンを提供しているお店
東京では、八王子のKuta Bali Cafeや、高円寺のSub store、運が良ければ新宿のMONGGO MOROでもルンダンを食べることができるようです。
無印良品なら全国でRendangを売っていますが、無印のルンダンは水っぽい別物です…。
お湯を注げばそこはインドネシア インスタント麺 Mie Sedaap 食べ比べ
Mie Sedaap/ミースダップはインドネシア発、WINGSグループによるインスタント麺 。2003年に発売され、インドネシアでIndomie/インドミーに次ぐシェアを誇っています。にんにくの香りや、インドネシアらしいスパイスや調味料が特徴です。
こちらはMie Sedaapのコマーシャル動画。Sedap(スダップ)は、マレーシアの方がよく使う言葉でおいしいという意味です。Mieは麺ですから、Mie Sedaapはそのまま「おいしーい麺」という商品名ですね。
ミースダップの食べ方
寮生活を経てミースダップを食べるプロとなったマレーシア人の友人の指導のもと、4つの味を食べ比べました。
Soto /ソト味ラーメン、Baso Special/スペシャルバクソ味ラーメン
カップ麺タイプ(Mie Sedaap Cup)の蓋を開けると、味付けやトッピングといっしょにプラスチックフォークが入っています。環境に良いとはいえないけれど、お湯さえあれば、どこでも食べることができて便利。
小分けの袋に入っている味付けや揚げニンニクを除くトッピング、調味油を入れたら、普通のカップヌードルのようにカップ内部の線までお湯を注いで3分ほど待ちます。
最後に揚げニンニクを加えたら*、完成。ソト(インドネシア風チキンスープ)味はさわやかなライムの葉の香り、バクソ(インドネシア風牛肉団子スープ)味はこってりの牛肉スープが特徴。それぞれフライドチキンの皮のようなものと揚げニンニク、牛肉団子とドライ野菜が入っています。スープを飲み干してしまいたくなる美味しさです。
*揚げニンニクをお湯を注ぐ前に入れてしまうと、ふやけてしまいます。ミースダップの売りである揚げニンニクのカリカリ食感を楽しむために、食べる直前に入れましょう!
Mie Goreng Ayam Krispy/クリスピーチキン味ピリ辛焼きそば、Mie Goreng Perisa Asli /オリジナル味ピリ辛焼きそば
袋麺タイプはカップ麺タイプより数十円安価。今回購入した袋入りミースダップはどちらも焼きそば系です。説明書きには麺を鍋で茹でるよう書いてありますが、蓋をかぶせて3分間待つというペヤング感覚でも問題なく作ることができました。
3分経ったら水をきって、味付けを混ぜて完成。透明の袋に入っている赤い液体はチリソース、黒い液体はKecap/インドネシア風醤油というのが特徴的ですね。それぞれ揚げニンニクと鶏風味のカリカリフレークをふりかけていただきます。
食べ比べてわかりましたが、オリジナル味の揚げニンニクのほうが、クリスピーチキン味の鶏風味カリカリフレークよりもクリスピーでした(笑)また、ピリ辛焼きそばという商品名ですが怖がらなくても良い程度の辛さでした。辛ラーメンが美味しく食べられる人なら、絶対に大丈夫。
いろいろな味のミースダップ
今回食べ比べてみた4つのほかにも、たくさんの種類のミースダップがあります。個人的には、ホワイトカレー味ラーメンに唐辛子を加えて食べるのが一番好きです。
Mie Sup Perisa Ayam Bawang/オニオンチキン味ラーメン
特徴といえばトッピングにチリパウダーと揚げニンニクが入っていることくらいの、スタンダードなチキン味。ザ・インスタントラーメンの香りがします。
Mie Sup Perisa Ayam Istimewa/スペシャルチキン味ラーメン
何がスペシャルなのかよくわからないこれまたスタンダードなチキン味。「オニオンチキン味ラーメン」からトッピングの揚げニンニクを引いた感じ。
White Curry/ホワイトカレー味ラーメン
レモングラスやココナッツ油の香る、東南アジア風のカレー味。日本語版パッケージでは、「シンガポールで大人気のスパイシーココナッツミルク風味カレーヌードル」ラクサ味と説明してありました。シンガポール旅行で食べたカレーラクサが恋しくなった人に良さそう。
Kari Spesial/カレースペシャルラーメン
調味油やスパイスの袋を開封した瞬間カレーの香り漂う正真正銘のカレー味。
その他、まだ日本のお店で見つけていませんが、チキンカレー味ラーメンやサンバル(インドネシア風辛味調味料)味焼きそば、サテ(インドネシア風串焼き肉)味ピリ辛焼きそばなども発売されているようです。
ミースダップを売っているお店
ネットショッピングはもちろん、ミースダップは日本にあるお店でも買うことができます。いろいろな種類のミースダップが手に入るお店はこちら。
東京:インドネシアの店
東京:東京モスクハラールショップ
福岡:九大近くのアジア食材店アズハル
夜食に、いつもとひと味違う東南アジアのインスタント麺はいかが?
ネトフリのマレーシア映画『Pulang/61年目の約束』
映画好きのみなさん、マレーシアの映画、観たことはありますか?
じつはネットフリックスに、日本語字幕付きで観ることができるマレーシア映画があります。
『61年目の約束(原題:Pulang)』
マレーシア映画の中で一番好きな作品です。家族で観ましたが、ハリウッド映画が大好きな父も大絶賛でした。
Pulangは、マレーシア語で「戻る、帰る」という意味。
原題のとおり、出稼ぎに行ったきり帰ってこない夫を妻が待ち続けるというラブストーリーで、実話に基づいています。
Di mana engkau Othman?
Lupakah engkau pada janji?
Aku akan menunggu engkau pulang biar berpuluh tahun lamanya!
オスマン、どこにいるの?
ー『Pulang』小説版の背表紙より
約束を忘れたの?
わたしは何十年経っても、あなたが帰るのを待ちつづけます!
私の祖父も1960年頃から船に乗って働いていて、長いこと家を離れることもあったそうで、祖父母を主人公夫婦に重ねて観ていました。
『61年目の約束』は、年を取った妻トムが孫に、夫オスマンを探してほしいと頼むところから始まります。ストーリーは回想形式で進みますから、映画では現代だけでなく戦前のマレーシアも描かれています。戦争のシーンでは日本の兵士も出てきます。
ところで、夫オスマン役のRemy Ishak / レミ・イサクはダンディな俳優さんです。ドラマや映画で広く活躍されています。マレーシア人の友人はレミさんのことをlelaki Melayu terakhir/最後のマレーの男と呼んでいました(笑)
『Pulang』は、マレーシアの歴史もわかる、とっても映像がきれいで見応えのある映画です。
Netflixを使っていたら、ぜひ鑑賞してみてくださいね。